特定建設業と一般建設業の違いとは
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特定建設業と一般建設業の違いとは
建設業許可は、「一般建設業」と「特定建設業」に区分されますが、それらの違いは元請けとして一件につき、4500万円(建築工事業は7000万円)以上の工事を下請けに出すかどうかの違いです。
つまり、一般建設業許可より特定建設業許可のほうが責任が重くなりますので、必然的に許可要件が厳しくなります。一般建設業許可を取りたい方は「建設業許可を100%取る7つの要件」を見てください。特に大きな違いは財産要件と専任技術者の要件になります。
今回の記事では、一般建設業と特定建設業の違いの他に、特定建設業を取るにはどうしたらいいのか、更に課される義務などについても解説します。
一般建設業とは
一般建設業は500万円以上の工事を請け負う場合に必要な許可です。この500万円以上には、材料費と消費税を含みます。
例えば、機械設置工事などで、注文者から300万円の依頼があったとします。消費税をあわせるても330万円(消費税10%の場合)です。しかし、機会代金が200万円かかるのであれば530万円になりますので許可が必要です。よくある勘違いとして機会代を注文者が受け持てば問題ないという考えです。しかしながら、建設業法施行令にて注文者が材料を提供する場合においても請負代金に加えたものを請負代金に含むとされているので結局は許可が必要となります。
特定建設業とは
特定建設業とは、元請けとして、一件につき、4500万円(建築工事業は7000万円)以上の工事を下請けに出す場合は、特定建設業許可になります。
この4500万円(建築工事業は7000万円)以上を元請けとして下請けに出す場合には、消費税は含みますが材料費は含みません。
例えば、管工事を元請けとして8000万円で請け負ったとします。下請けに3000万円で依頼し材料費として2000万円分を提供したとします。この場合ですと、元請けは特定建設業の許可は不要です。しかし、4200万円で依頼した場合は消費税を合わせると4620万円になりますので特定建設業の許可が必要になります。
もう一つ例えるなら、管工事を下請けとして8000万円で請け負ったとします。下請けに5000万円で依頼したとしても特定建設業許可は不要になります。
何度も言うように特定建設業許可というのは、直接工事を請け負った建設業者が取得するものなので、下請け業者は必要ありません。
許可される工事の違い
具体的に一般建設業許可ではどのような工事を請け負うことが出来るのでしょうか。分かりやすくまとめると以下の3点に絞られます。
- 下請けで工事を請け負う
- 元請けで工事を請け負うが自社にて全て工事を施工する
- 元請けで下請けに出すが、下請けに出す場合でも1件の工事代金が4000万円未満(建築一式工事の場合は6000万円未満)である。
許可要件や義務の違い
一般建設業者と特定建設業者では、取得要件も違いますが取得後の要件も違いがあります。
一般建設業許可 | 特定建設業許可 | |
---|---|---|
元請として請け負った工事を自社で施工 | 制限なし | 制限なし |
元請として請け負った工事を下請に出す場合の工事代金 | 4,500万円未満 (建築一式工事は7,000万円未満) |
制限なし |
専任技術者の要件 | 資格や経験などの要件 | 一般建設業より厳しく設定 |
財産的基礎要件 | 自己資本金額などの要件 | 一般建設業より厳しく設定 |
建設業者に課せられる義務 | 届出の義務等6つの義務 | 一般建設業者の義務+3つの義務 |
自分は一般?特定?
- 元請け工事ですか?
- 下請けに4500万円以上(建築工事業7000万円以上)の工事を出しましたか?
- 500万円以上の工事を請けますか?
1~3全てに当てはまれば特定建設業許可、3のみに該当するのであれば一般建設業許可になります。
特定建設業許可に必要な7つの要件
特定建設業許可を取るには、冒頭にも書いているとおり専任技術者と財産要件が一般建設業許可とは違います。他にも一般建設業許可と同じく5つの要件にを満たしておかなければなりません。「建設業許可を100%取る7つの要件」と被るとこも多いですが、どのような要件を満たす必要があるのか見ていきましょう。
まず、その7つの要件は以下の通りになります。
- 経営業務の管理責任者が常勤でいること
- 専任技術者を営業所ごとに常勤で置いていること
- 請負契約に関して誠実性を有していること
- 財産要件を満たしていること
- 欠格要件に該当しないこと
- 保険に加入していること
- 営業所があること
一般建設業許可と同じように見えますが内容が違いますのでしっかりと確認ください。
経営業務の管理責任者の常勤
経営業務の管理責任者(以後、経管という。)を常勤で在籍させておかなければなりません。この経管は、名前の通り経営業務を管理する責任者ということです。建設業というのは少し特殊で一つの工事代金も大きいですし、これらの契約を無責任な業者や建設業の経験がない業者に注文者は任せたくありません。
つまり、建設業に関し経営業務の経験があるものが責任者として許可業者に一人は置かなければならないとされています。
経管になる要件
- 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験
- 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にあるもの(経営業務の執行する権限の委任をうけものに限る)として経営業務の管理をした経験を有するもの
- 建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にあるものとして経営業務の管理責任者を補佐する従事した経験を有するもの。更に、常勤役員のうち一人が一定の要件を満たしていること。
経管の緩和により要件を満たす人が若干は増えたと思いますが、未だにほとんどの方が1を要件にし取得します。1に関し詳しく説明すると、この経験は個人事業主又は取締役(株式会社)、業務を執行する社員(持分会社)、執行役(指名委員会等設置会社)との経験の事を言います。
独立されて5年以上経てば必然的に要件を満たしますが、独立して5年経たない場合は知人になってもらったり5年待つ必要があります。当然に、独立する前に建設業者にて5年以上取締役の経験を経て、独立に至った場合は要件を満たすことになります。
さて、あとは常勤に関しての疑問です。常勤とは、原則として本社や本店に休日その他勤務を要しない日を除き一定の計画をもとに毎日その時間中、その業務に従事していることを指します。手引にはそう書いてあるので、例えば土日にバイトなどの副業をしてもいいのかと思ってしまいますが、そうではありません。法令上も決まりがないはずですが役所は、「はい!ダメ~!」と言います。私自身も不思議ですがダメと言われるのでダメなのです。
他にも複数の法人をお持ちの方もいるかもしれません。たとえばタヌキ社長が建設業A社と販売業者B社を持っているかもしれません。双方の会社が一人取締役ですと許可は取れません。しかし、販売業者B社にキツネ取締役がいるのであれば、キツネからタヌキに非常勤証明を出せば問題ありません。
しかし、タヌキ社長は代表取締役、キツネ社長は取締役の場合は非常勤証明は出せません。その場合はキツネ社長に代表取締役になってもらうか、タヌキ社長が取締役になるかになります。現実的にタヌキ社長が販売業者B社の取締役を退任するのは無理でしょうからね。
次に考えるのはタヌキ社長が工務店A社を経営している場合です。タヌキ社長は建築士として経営していましたが、建設業にも幅を広げようとしました。建築士には専任で管理建築士を置かなければなりませんが、タヌキ社長は管理建築士として登録しています。しかし、そうなると建設業許可を取るには経管が必要で管理建築士と経管の兼任が認められるかが問題となります。結論、同じ営業体で同じ営業所であれば認められます。
さて、最後に考えるのはタヌキ社長は建設業許可を取りたいが、経管の要件を満たす人が社内にいないというものです。かつてから知り合いのキツネさんになってもらおうと思いましたが、キツネさんは個人事業主として管工事業で活躍しています。キツネさんは心優しいので快諾してくれ経管になってくれました。しかし、キツネさんとしては副業として個人事業主の営業も継続できるのでしょうか?結論、出来ません。
あ、もちろん、他の会社で経管しており経管の兼任もダメですよ。
経管の疎明資料
(個人事業主の経験を証明する場合)
- 確定申告書の写し(5年分)
- 契約書等の写し(各年1枚、計5枚)
確定申告書と契約書等で証明していきます。確定申告書により個人事業主と営業していることが分かり、契約書等で工事を請け負ったということを証明していきます。これらで注意する点としては確定申告書に給与所得がないことが必要です。給与所得があるということは他の事業者で雇われていたことになります。額にもよりますが、給与所得があっても県庁と話し合い認められたというケースもあります。
(法人役員の経験を証明する場合)
- 法人税、消費税申告書の写し
- 契約書等の写し(各年1枚、計5枚)
- 商業登記簿
これらも個人事業主と証明するのと同じようなものなので説明は省きますが、登記簿が必要になります。会社の取締役だったかどうかを証明するので当然に必要なことは分かると思います。
付け加えると、契約書等とは請求書や注文書でも構いませんということです。
(許可業者での経験)
- 直近の許可書の写し
- 営業の沿革の写し
- 商業登記簿(法人役員の経験の場合のみ)
- 必要に応じて当時の様式7号の写し
建設業許可業者にて経管の経験があるということは、必然的に経管の要件が整っているということですね。なので、比較的に集めやすい書類にて証明することができます。
経管の常勤性を証明
- 協会けんぽ又は土健保の場合は保険証の写し
- 後期高齢者の場合は、保険証+出勤簿の写し+賃金台帳の写し
- その他の場合は、国保の写し+出勤簿の写し+賃金台帳の写し
出勤簿の写しと賃金台帳の写しは事業主と代表取締役の方は免除されます。
専任技術者の常勤
経管同様に専任技術者(以後、専技という。)を営業所に常勤させておかなければなりません。専任技術者の要件は、一般建設業許可とは違います。大事な部分になりますので必ず確認しましょう。
専技の要件
- 国家資格を有する者。1級施工管理技士・1級建築士・1級技術士。
- 一般建設業許可の専任技術者の要件を満たす者のうち、許可を受けようとする業種について元請けで4500万円以上の建設工事に関し2年以上指導監督的な実務経験を有する者。※土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業は指定建設業になり、この要件に該当しても許可はおりません。
- 国土交通大臣が1又は2に掲げる者と同等以上の能力を有する者と認定した者
以上のいずれかに該当すれば問題ありません。1については説明は不要でしょう。もし、一般建設業許可を取る際に1級の施工管理技士を専任技術者においているのであれば必然的に満たすことになると思います。2についての説明が必要ですが、指導監督的な実務経験とはガイドラインで以下のように定義されています。
① 「指導監督的な実務の経験」とは、建設工事の設計又は施工の全般について、工事現場主任者又は工事現場監督者のような立場で工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいう。
② 指導監督的な実務の経験については、許可を受けようとする建設業に係る建設工事で、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が4,500万円以上であるものに関し、2年以上の指導監督的な実務の経験が必要であるが、昭和59年10月1日前に請負代金の額が1,500万円以上4,500万円未満の建設工事に関して積まれた実務の経験及び昭和59年10月1日以降平成6年12月28日前に請負代金の額が3,000万円以上4,500万円未満の建設工事に関して積まれた実務の経験は、4,500万円以上の建設工事に関する実務の経験とみなして、当該2年以上の期間に算入することができる。
つまり、現場酒ににゃ現場監督などとして工事の技術面を総合的に指導監督したという経験のことです。
専技の疎明資料
(実務経験)
- 契約書等(各年1枚、計2枚)
- 被保険者記録照会回答票
(資格)
- 資格証等の提示(写しを提出)
契約書等ですが、経管と比べて厳しく見られます。何故なら、経管は建設業の請負工事をしていればいいのですが、専技は建設業の請負工事をしてかつ許可を取ろうとする業種でなければならないからです。契約書等から内装工事や管工事といった工事業種が判断つかなければならないのです。また、建築工事などは普通は工事施工金額がそこそこ大きいものになると思います。あまりにも低価格帯であると本当に建築工事をしたのか?との疑義がかけられる場合があります。
専技の常勤性を証明
- 協会けんぽ又は土健保の場合は保険証の写し
- 後期高齢者の場合は、保険証+出勤簿の写し+賃金台帳の写し
- その他の場合は、国保の写し+出勤簿の写し+賃金台帳の写し
出勤簿の写しと賃金台帳の写しは事業主と代表取締役の方は免除されます。
誠実性
- 不正な行為とは、請負契約の締結又は履行の際に詐欺、脅迫、横領等法律に違反する行為をいい、不誠実な行為とは、工事内容、工期、天災等不可抗力による損害の負担等について請負契約に違反する行為
- 建築士法、宅地建物取引業法等で不正又は不誠実な行為を行ったことにより免許の取消し処分を受け、その最終処分の日から5年経過しないものなどは誠実性のないものとされます。
私の経験上これらに該当することはめったにないとは思いますが、頭の片隅に入れとかないといけません。また、これらの誠実性を証明することまでは必要とされていませんので必要書類などはございません。
財産要件を満たしていること
- 自己資本が2000万円以上あるとこ
- 純資産合計が4000万円以上あること
- 流動比率が75%以上であること
- 欠損比率が20%以下であること
以上の4つを直前の決算期の財務諸表により満たしておかなければなりません。。
1の「自己資本」は、要するに資本金です。1000万円の資本金であれば増資するしか方法はありません。この資本金についてのみですが、他3つの要件が整っているのであれば直前決算期ではなく、増資を行うことで申請することができます。
2については、貸借対照表の純資産が4000万円以上あることです。
3については、流動資産合計/流動負債合計で75%以上であれば問題ありません。流動資産合計のほうが多いのであれば計算しなくても100%以上になるので問題ありません。
4については、繰越利益剰余金-(資本剰余金+利益準備金+その他利益剰余金(繰越利益剰余金を除く))/資本金で20%以下であれば問題ありません。繰越利益剰余金がプラスなのであれば、そもそも20%以下にならないので計算は不要です。
財産要件の疎明資料
- 財務諸表
欠格要件に該当しないこと
第八条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の各号のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあつては、第一号又は第七号から第十四号までのいずれか)に該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならない。
一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者二 第二十九条第一項第七号又は第八号に該当することにより一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者三 第二十九条第一項第七号又は第八号に該当するとして一般建設業の許可又は特定建設業の許可の取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があつた日から当該処分があつた日又は処分をしないことの決定があつた日までの間に第十二条第五号に該当する旨の同条の規定による届出をした者で当該届出の日から五年を経過しないもの四 前号に規定する期間内に第十二条第五号に該当する旨の同条の規定による届出があつた場合において、前号の通知の日前六十日以内に当該届出に係る法人の役員等若しくは政令で定める使用人であつた者又は当該届出に係る個人の政令で定める使用人であつた者で、当該届出の日から五年を経過しないもの五 第二十八条第三項又は第五項の規定により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者六 許可を受けようとする建設業について第二十九条の四の規定により営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者七 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者八 この法律、建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項及び第三十二条の十一第一項の規定を除く。)に違反したことにより、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条(傷害罪)、第二百六条(現場助勢)、第二百八条(暴行罪)、第二百八条の二(凶器準備集合及び結集)、第二百二十二条(脅迫)若しくは第二百四十七条(背任)の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者九 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(第十四号において「暴力団員等」という。)十 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの十一 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号又は次号(法人でその役員等のうちに第一号から第四号まで又は第六号から前号までのいずれかに該当する者のあるものに係る部分に限る。)のいずれかに該当するもの十二 法人でその役員等又は政令で定める使用人のうちに、第一号から第四号まで又は第六号から第十号までのいずれかに該当する者(第二号に該当する者についてはその者が第二十九条の規定により許可を取り消される以前から、第三号又は第四号に該当する者についてはその者が第十二条第五号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、第六号に該当する者についてはその者が第二十九条の四の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該法人の役員等又は政令で定める使用人であつた者を除く。)のあるもの十三 個人で政令で定める使用人のうちに、第一号から第四号まで又は第六号から第十号までのいずれかに該当する者(第二号に該当する者についてはその者が第二十九条の規定により許可を取り消される以前から、第三号又は第四号に該当する者についてはその者が第十二条第五号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、第六号に該当する者についてはその者が第二十九条の四の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該個人の政令で定める使用人であつた者を除く。)のあるもの十四 暴力団員等がその事業活動を支配する者
以上が建設業法8条に定められています。
これらの欠格要件に該当するということは過去になかったですが意外と見落としがちです。禁固刑になった方は覚えているでしょうが、罰金などがある場合は何の法律で罰せられたのかを把握する必要があります。暴力などで罰金刑になっていたらいけません。これらに該当してはいけない者は以下の方です。
- 個人であれば代表者及び支配人
- 株式会社又は有限会社の取締役
- 指名委員会等設置会社の執行役
- 持分会社の業務を執行する社員
- 法人格のある各種の組合等の理事等
- 相談役、顧問
- 総株主の議決権の100分の5以上を有する株主、出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者
- その他、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役若しくは法人格のある各種の組合等の理事等と同等以上の支配力を有するものと認められる者
保険に加入していること
社会保険及び雇用保険の加入義務が必要な事業者は入らなければ許可は受けれません。加入義務のある事業者は下記のとおりです。
(個人事業主の場合)
- 常時使用の従業員が5人以上いる場合は社会保険加入義務がある
- 一人でも従業員を雇用するなら雇用保険加入義務がある
(法人の場合)
- 従業員を一人でも雇用するなら社会保険も雇用保険も加入義務がある
- 従業員が一人もいない場合でも社会保険の加入義務がある
基本的に社会保険とは健康保険と厚生年金の事を言い、雇用保険はいわゆる労働保険のことで、労災保険にも入らなければなりません。社会保険は年金事務所で手続きをすることになり、労働保険はハローワークで手続きすることになります。雇用保険だけ入りたいですと言っても労災保険にも入らなければならないですよと言われます。
保険加入の疎明資料
(社会保険)
- 保険料納入告知額、領収済み額通知書の写し
(雇用保険)
- 労働保険概算申告書の写し
- 労働局発行の労働保険料納付証明書
のいずれか。
営業所があること
建設業を営業するためには当然に営業所がなければなりません。
普通に事務所として借りている場合は問題ないのですが、自宅兼事務所として借りている場合は生活環境を通らずに相談室に入れることが要件です。また、自宅兼事務所の場合は居住用として借りている可能性が高く事務所としての利用を目的としていません。その場合はオーナーから使用承諾書をもらう必要性が出てくるかもしれません。
ただ、令和4年3月から事務所調査がなくなりました。事務所調査時にこの使用承諾書なり賃貸契約書なりを提出しなければならなかったのですが、それがなくなったので実際問題どうなのか分かりません。ただ、事務所調査がなくなったとはいえ怪しいと思われれば調査は入ります。やはり、今まで通り適正に営業所もしておく必要があるでしょう。
営業所の疎明資料
- 写真(外観、出入り口、看板、内装)
付け加えると、内装の写真を撮る時に必ず電話機がなければなりません。携帯でよさそうですが、固定電話がないとダメと言われるので固定電話を置く必要があります。
特定建設業と一般建設業のよくある質問
質問
現在、一般建設業を持っています。元請けとして受注した工事があるのですが、3社の下請け業者を使う予定です。A社に2000万円、B社に2000万円、C社に1000万円の計5000万円になるのですが、一般建設業で大丈夫ですかね?
答え:いいえ、この場合は特定建設業が必要になります。確かに1社あたりは4000万円は超えていませんが、下請けに出した合計金額を見ることになりますで、特定建設の許可が必要になるのです。
質問
現在、一般建設業を持っていますが、元請けとして内装工事を5000万円で請け負う事になります。全て自分らで工事する予定なんですが、特定建設業の許可が必要になりますか?
答え:必要ありません。自社で工事するのであれば一般建設業のままで問題ありません。当然、一般建設業の許可も持っていないのであれば、一般建設業の許可は取らなければなりません。
質問
現在、一般建設業の許可を持っていますが、仲の良い元請けさんから8000万のとび工事の仕事を回してもらう予定です。弊社からも仲の良い業者さんに4000万で一部下請けに出そうと思っています。この場合は、特定建設業の許可はいりますか?
答え:いりません。あくまでも元請けの立場で下請けに工事を出す場合に必要な許可です。この場合ですと、その仲の良い元請けさんは特定建設業の許可は必要ですが、貴方は必要ありません。
まとめ
一般建設業と特定建設業は要件の厳しさが目立ったと思います。何故なら、取り扱う金額が全く違いますので、これらの厳しい要件になったのでしょう。ただ、特定建設業の許可が取れれば、社会的な信用は大きく、何よりも下請けに工事金額を気にせずにまわせるのも大きなメリットではないでしょうか?
特定建設業許可を取得したいのであれば弊所の行政書士にお任せください。