建設業での契約の保証とトラブルの解決法

建設業の保証人

建設業の契約の保証とトラブル

建設業に限った事ではありませんが、しっかりした契約書を結んだにも限らずに誠実に契約内容を履行されなかったということもあるかもしれません。また建設業ということは金額も大きくなり、工期が延びるということ自体が大きな損害になるかもしれません。建設業法には履行されないリスクを抑えるために、一定の条件のもと保証人を立てるように請求ができることとなっています。

保証人の要求

冒頭でも書いている通り発注者が受注者に保証人を立てることを請求することが出来る規定があります。それは発注者が受注者に対し前払い金を支払う定めがある場合、発注者は受注者に保証人を立てるように請求ができます。公共工事の場合は一定の金額以上の工事には保証事業会社の前払保証が必要です。しかし、民間の場合実際に保証人を請求されることはほとんどないようです。

まあ、それはそうだよなとは思いますね。そもそもこの法律自体を知っている人はそう多くないでしょうし、知っていたとしても保証人を請求するというのが感覚的に馴染まないような気がします。ただ、知らなかった人は建設業法第21条にこのような保証人を要求できるということは知っておいて損はないかと思います。

なお、保証人を立てることを請求された建設業者は次の保証人を立てなければなりません。

  1. 建設業者の債務不履行の場合の遅延利息、違約金その他の損害金の支払の保証人
  2. 建設業者に代つて自らその工事を完成することを保証する他の建設業者

1に関しては金銭の保証で前払金だけに対してだけでなく、債務不履行によって生じた金銭債務すべてが含まれます。この保証というのは連帯保証人になりますので発注者としては回収できる確率があがります。2に関しては役務の保証で文章通り工事を完成させてもらうための保証です。これもまた連帯保証人としての性格を持ちます。

トラブルが起こった場合

請負契約に関するトラブルは建設工事紛争審査会があっせん、調停及び仲裁を行う権限を持っています。あくまでも請負契約関係においての事ですので、発注者と元請、元請と下請、下請と1次下請等の請負契約が成立している場合に限られます。なので、元請と1次下請や、騒音トラブルでの被害者と元請のトラブルはこれにあたりません。

また、審査会は中央建設工事紛争審査会と都道府県建設工事紛争審査会があります。中央建設工事紛争審査会に申請する場合は、当事者の一方又は双方が国土交通大臣許可の建設業者の場合、又は、当事者の双方が建設業者で、許可した都道府県知事が異なる場合になります。

都道府県建設工事紛争審査会に申請する場合は、当事者の一方のみが建設業者で都道府県知事許可の場合、又は、当事者の双方が建設業者で、許可した都道府県知事が同一の場合などになります。

あっせん、調停、仲裁の違い

あっせんというものが一番トラブルが小さい場合に使い、次に調停、そして最強が仲裁というものになります。あっせんと調停は民法上の和解としての効力程度で強制執行できるようにしときたいなら公正証書を作成する必要があります。仲裁が最強と言ったのは確定判決と同じ効力を得られますので強制執行ができるということになります。

じゃあ、何も考えずに仲裁でいいじゃんと思うかもしれませんが、あっせんなら1回程度で終わり、仲裁は何度も審理しなければならないかもしれません。また費用面においても仲裁が高くなるというデメリットもあります。

審査会の費用

【申請手数料の例】

500万円の場合 2000万円の場合 5000万円の場合
あっせん 18,000円 40,500円 73,000円
調停 36,000円 73,500円 148,500円
仲裁 90,000円 180,000円 360,000円

さらにここから、通信運搬費というものがかかり、あっせんが1万円、調停が3万円、仲裁が5万円かかります。

まとめ

今回はトラブルが起こらないように保証制度とトラブルが起こった場合のあっせんなどを審査会がやっているとの情報でした。もちろんトラブルが起こらないことに越したことはないと思いますのでしっかりした契約書を作成することが大切です。そして、契約の履行をしてもらう為の担保として保証人制度があるということもこれで分かったと思います。

もし、トラブルが起こったら自分たちで話し合い、それでも解決しなければ審査会という方法をとることもできます。また自分たちで話し合い解決出来たとしても和解書を作成し後のトラブルが起こらないようにしなければなりません。様々な建設業の書類作成なら福岡建設業許可申請所の行政書士にお任せください。

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