建設業法の罰則は甘くない

建設業法違反

建設業者の違反が発覚!?懲役刑になるかも

私も建設業許可申請に携わり、多くの建設業者様とのお付き合いがあります。小さな一人親方の建設業者から、テレビCMを打つくらい大きな建設業者まで、一言「建設業者」と言っても様々な規模があります。大きな業者様になればなるほど、人の管理が大変で建設業法(罰則規定含む)を理解している人は少ないです。というか、いないかも。一人親方のような場合でも、行政書士などが代理で許可を取得したりするので法律まで詳しく知らない方が多かったりします。

しかし、知らなかったでは済まないのでしっかり理解しましょう。

どんな事したら建設業法違反になるの?

最も重い罰則で建設業法では懲役3年があります。しかも、懲役を食らうと一発で許可が飛んでしまうことになるでしょう。恐ろしや。そもそも、罰則を食らうようなことをしなければいいだけなのですが、「え!?これ罰則規定があるの?知らなかった!アイツもやってる!」と騒ぎ立てる人もいるかもしれません。特に小さな会社は日々の業務でいっぱいになり、書類作成を怠る傾向にあります。しかし、罰則規定がある以上、やならなければ自分が痛い目にあうのです。

懲役3年になる可能性のある違法なこと

第四十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

一 第三条第一項の規定に違反して許可を受けないで建設業を営んだ者
二 第十六条の規定に違反して下請契約を締結した者
三 第二十八条第三項又は第五項の規定による営業停止の処分に違反して建設業を営んだ者
四 第二十九条の四第一項の規定による営業の禁止の処分に違反して建設業を営んだ者
五 虚偽又は不正の事実に基づいて第三条第一項の許可(同条第三項の許可の更新を含む。)又は第十七条の二第一項から第三項まで若しくは第十七条の三第一項の認可を受けた者
2 前項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。
以上のように建設業法47条には懲役3年以下又は300万円の罰金になること違反事項があげられています。具体的には以下のことです。

 

一.第3条第1項とは、例えば500万円以上の工事を建設業許可を取らないでした場合などが該当します。下記のものは軽微な建設工事として定められていますので、許可は不要です。

・工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。

・前の請負代金の額は、同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする。ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない。

・注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加えたものを第一項の請負代金の額とする。

 

二.第16条の規定に違反して下請契約を締結した者とは、特定建設業の許可を受けた者でなければ、その者が発注者から直接請け負つた建設工事を施工するための次の下記に該当する下請契約を締結してはならない。

・4500万円以上の下請け、建築工事業の場合は7000万円以上。(下請契約を締結することにより、その下請契約及びすでに締結された当該建設工事を施工するための他のすべての下請契約に係る下請代金の額でも記載金額以上はダメ)

 

三.これはそのまま、営業停止なのに建設業をしたらダメだというもの

 

四.これもそのまま、営業禁止なのに建設業をしたらダメだというもの

 

五.虚偽申請をして建設業許可をとったらダメだよということ

 

ここで、私の感覚で話すと一と五の違反はちょくちょく見かけます。また、法律の穴をつついたような感じで「400万円で請求書を2枚切って、分割で工事をすれば大丈夫」と思ってる人もいるようですがアウトです。しっかりと政令で「同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額」となっているので、この例でいくと800万円の工事を無許可業者がやったことになり、懲役三年以下、罰金300万円以下の罰を食らう可能性があるということになります。

次に、五の違反ですが、虚偽申請と分かって無くて虚偽申請をしている人を見かけます。例えば、知人に経営管理責任者要件を満たしている人を呼んで取締役にしたとします。ここまでは、別にセーフです。しかし、その知人は実は自営業者で自分でもまだ建設業をやっていたとしましょう。しかし、提出書類の一つ、経営管理責任者の略歴書にあたかも廃業したかのように記載すると虚偽申請になります。決して廃業とかかずしても、自と至欄がありますので至に時期を書き込むとそこで廃業したということになりますからね。

懲役6ヶ月になる可能性のある違法なこと

第五十条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第五条(第十七条において準用する場合を含む。)の規定による許可申請書又は第六条第一項(第十七条において準用する場合を含む。)の規定による書類に虚偽の記載をしてこれを提出した者
二 第十一条第一項から第四項まで(第十七条において準用する場合を含む。)の規定による書類を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出した者
三 第十一条第五項(第十七条において準用する場合を含む。)の規定による届出をしなかつた者
四 第二十七条の二十四第二項若しくは第二十七条の二十六第二項の申請書又は第二十七条の二十四第三項若しくは第二十七条の二十六第三項の書類に虚偽の記載をしてこれを提出した者
2 前項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。
以上のように建設業法47条には懲役6ヶ月以下又は100万円の罰金になること違反事項があげられています。具体的には以下のことです。

 

一.申請書等に虚偽の記載をして提出した者も対象です。

 

二.変更があった場合は変更届、毎年の決算変更届などの書類を提出しないといけません。

 

三.経管又は専技の基準を満たさなくなったり、破産したりしたりすると届出が必要です。

 

四.経営状況分析の申請や経営事項審査の申請について書類の虚偽を記載して提出したら対象となります。

 

これもよくあるのが、二の決算変更届を出していない方ですね。更新時に一気に5期分+更新とする業者様がいますが最悪懲役刑にもなる違反を犯していると認識しなければなりません。小さな会社になればなるほど法令を守る意識が低く、あまりにも杜撰な管理となっています。

罰金100万円になる可能性のある違法なこと

第五十二条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、百万円以下の罰金に処する。

一 第二十六条第一項から第三項まで又は第二十六条の三第七項の規定による主任技術者又は監理技術者を置かなかつたとき。
二 第二十六条の二の規定に違反したとき。
三 第二十九条の三第一項後段の規定による通知をしなかつたとき。
四 第二十七条の二十四第四項又は第二十七条の二十六第四項の規定による報告をせず、若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出したとき。
五 第三十一条第一項、第四十一条の二第四項又は第四十二条の二第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
六 第三十一条第一項、第四十一条の二第四項又は第四十二条の二第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
七 第四十一条の二第三項の規定による命令に違反したとき。
以上のように建設業法52条には100万円以下の罰金になること違反事項があげられています。具体的には以下のことです。

 

一.主任技術者や監理技術者を置く必要があり、これらにも一定の経験や資格がなければなりません。また工事の内容によって専任で置く必要があり、技術者の配置をしなければ違反です。

 

二.これも主任技術者や監理技術者の設置に関する事項で、一式工事や付帯工事で許可業種以外の工事であっても要件を満たした技術者を配置するか、その許可業種の許可を持っている業者に工事を施工させる必要があり、それらに違反すると罰金となります。

 

三.更新を忘れて失効した場合や営業停止などなった場合でも、その前に契約を締結してれば工事はできる。ただ、注文者に許可がなくなったことを通知しなければならず、それをしなかった場合は違反となる。

 

四.経営状況分析や経営事項審査をした場合に、審査先から報告を求められても報告しなかったりウソついたりすると違反となります。

 

五.許可行政が必要だと判断したら立ち入り検査ができ、報告を求められても報告しなかったりウソついたりすると違反となります。

 

六.許可行政の立入検査を拒んだりすると違反となります。

 

七.建設資材屋も命令を受ける場合があり、それに違反したら罰金となります。

罰金1億円になる可能性のある違法なこと

第五十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人、その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

一 第四十七条 一億円以下の罰金刑
二 第五十条又は前条 各本条の罰金刑
建設業法第53条では、違反行為を行った者だけでなく、その法人に罰金刑を科する旨を規定しています。例えば、建設業法第47条(無許可営業等の罰則)に該当する場合の罰則は、行為者に対しては第47条に規定された罰が科せられますが、法人に対しては1億円以下の罰金を科すことができると規定されています。こわいですね。

10万円の過料になる可能性のある違法なこと

第五十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。

一 第十二条(第十七条において準用する場合を含む。)の規定による届出を怠つた者
二 正当な理由がなくて第二十五条の十三第三項の規定による出頭の要求に応じなかつた者
三 第四十条の規定による標識を掲げない者
四 第四十条の二の規定に違反した者
五 第四十条の三の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿若しくは図書を保存しなかつた者
以上のように建設業法55条には10万円以下の過料になること違反事項があげられています。具体的には以下のことです。

 

一.廃業の届出をしなかった業者

 

二.調停に出頭しなかった者

 

三.店舗及び建設工事(発注者から直接請け負つたものに限る。)の現場ごとに標識を掲げなければならない

 

四.建設業許可業者じゃないのに建設業者であると明らかに誤認させるような表示をした場合

 

五.法令で決められた内容を帳簿に記載しておかなければならず、それをしていない業者

 

自分達では管理が難しい

懲役になると執行猶予がつこうが許可が取り消されてしまいます。また、主任技術者や監理技術者、専任技術者や経営管理責任者などの重要性も全く理解できていないかたも少なくありません。例えば、専任で主任技術者を置かなければならない状況で、専任技術者を主任技術者にしてしまうと矛盾がうまれてしまうことになります。当然、専任で主任技術者を置かなければならない状況で令3条使用人が配置技術者であることも変ですよね。

 

ここで、え?どういうこと?」と思う程度の知識であればとてもヤバイということを知っておかなければなりません。

 

私も色々な業者様の許可申請などを通し、思ってるより建設業者様が建設業法を理解していないことが多いような気がします。そのようなニーズに応えられるよう、新しく【建設業者用の顧問契約】となるサービスを始めました。

建設業許可が取消しになる10の理由

顧問契約サービスの開始

顧問(建設業者用) 33,000円(月額) ※1年契約となります。
簡易顧問 55,000円~(年額)

 

顧問サービス

顧問サービスには以下のサービスが含まれています。

  • 相談、アドバイス(建設業法全般の相談可)
  • 各種変更届(決算変更届含む)
  • 33,000円(許可更新申請・特別割)

※まず、社内の人事等を精査させて頂き、整合性など取れているか全てチェック致します。

簡易顧問サービス

簡易顧問サービスには以下のサービスが含まれています。

  • 申請に関する相談、アドバイス(あくまでも許可申請に関する相談のみになります)
  • 決算変更届のみ
  • 33,000円(許可更新申請・特別割)

対応地域

全国対応(東京、大阪府、京都府、兵庫県は未対応)

まとめ

建設業法の違反に関することを書いてみましたが理解できたでしょうか?法令遵守しているつもりが、違反をしていたということは避けたいですよね。ぜひ、この際に顧問サービスをご利用下さい。

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